観涛所碑 / ひたちなか市磯崎町
観涛所碑
揮毫・建碑:徳川斉昭建碑時期:天保初期
所在地:ひたちなか市磯崎町入道3602
この碑は、天保四年(1833)頃、此地を訪れた烈公が絶景を賞し、公の親筆になる「觀濤所」の三字を刻み、立石したものです。
現在、碑の立っている場所は、『平磯海水浴塲誌』の挿絵にあるような断崖絶壁のイメージはあまり感じませんが、太平洋の眺望は今でも素晴らしいと思います。(樹林に阻まれ、西側の眺望はありません。)
この地に産する『磯崎石』と呼ばれる砂岩質の碑石は、表層剥離がかなり進んでいます。『濤』字の「さんずい」は、もう一皮剥がれると判読不能になるかも知れません。
何処となくトーチカを想わせる大谷石造りの覆屋は、昭和十年(1935)に磯崎町によって建てられたものです。
觀濤所 平磯の北方東面に位置し海面より大約拾丈許りの處にある高丘にして南は遥に銚子を見るを得可く西は富士筑波加波足尾黒髪二荒の諸山連亘し平坦なる芝生にして東北は漫々たる滄海畫けるか如く怒濤は嵓石の爲め碎破して白沫と飛し大小の漁船は遠近に撒布し白帆遠く雲に入り或は穭拍手高く生魚を積んて來るの様能く一眸の下にあり坐して見るを得臥して詠むるを得可し試に双眼鏡を取り静止せし漁船を詠むるときは能く其札魚を釣り網を下すの模様も知るを得可し遠く黒烟を吐くの滊船近く風を孕むの帆船水天髣髴として雲耶山耶吁其眺望の奇絶なる實に觀濤所の名に耻ちさる名區なり天保初年水戸藩主源烈公屢々此地に來觀せられ遂に高サ七尺巾三尺五寸の碑石を建て自ら篆書を以て觀濤所の三字を筆せられしより年々此地に來遊せらるヽの風流諸子多し森司馬彦『平磯海水浴塲誌』明治26(1893)より

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